「恋愛を前提としたお付き合いをして頂けませんか」
2004年4月24日 恋愛?「セイセイと鞄」というドラマを観た。昨年BS系で放送された物で
良く判んないけど、賞まで取ったものらしい。
柄本明演じる国語教師(センセイ)と小泉今日子演じる20年前の生徒(月子さん)との恋愛話。親子程年齢が離れているとは言え、
双方大人だから、充分恋愛は有り得る。ただその過程が実に丁寧で
説得力があって切ない。ゆっくりと恋になっていき、丁寧に傷付いて
ゆく。けして綺麗事ばかりが並んでいるわけではない。嫉妬も傲慢さ
も、大人であるが故の逃げ道も、SEXに対する不安もきちんと描かれて
いる。37歳の平凡な会社勤めの月子さんが、微妙に分別をつけ、
根拠のない嫉妬をし、上手くいかない恋に苛立って酔い潰れる。
若い頃のように突っ走る訳にもいかず、かといって他の男と遊ぶ
きにもなれず、つかみ所のない老年の男の気持ちを計りきれない歯痒さ
を抱えたまま時間が流れてゆく。そんな月子さんをどう扱っていいのか
判からず戸惑いながらも彼女が女であることを受け入れるセンセイ
も又、無駄なようで無駄でない時間を抱えていく。そしてセンセイは
出逢って2年が経った頃に月子さんに告げる。
「恋愛を前提としたお付き合いをして頂けませんか」
いい台詞だなぁ〜と思った。後何年生きられるか判らないと素直に
口にするセンセイにとって精一杯の台詞。まるで薄皮を重ねていく
ように恋人になった二人はそれから3年後に結ばれる。
とても誠実なセンセイは正直に彼女に告白する「SEX出来るか自信がない」湯豆腐を食べているテーブルの向こうで手を付いて謝る。
「なかったらなかったでいいです」と月子さんは背筋を伸ばして
答えた。「その時まで待って欲しい」と言われ「じゃ、待ちます」
と笑って答えた。きっとこの年齢の男性が恋愛をすると直面する
問題なんだろう。それでも淡々時間は流れ、二人は穏やかに恋人
でいる。ところが或る深夜、センセイは電話で彼女に言うのだ
「これから家に来ませんか」
この後の月子さんが実に愛らしい。受話器を置くのも忘れ、鞄に
必要なものをぶっ込んでパジャマのままで走る!走る!!
玄関先で仁王立ちで彼女を待つセンセイと目を合わせるや否や、
玄関を閉めるのも忘れ家の中に飛び込む。廊下で靴下を脱ごうと
転びかけ、旅館の仲居さん並の手際の良さでお布団をひく。
そして、向かいあってお布団の両端に正座した二人は、見つめ合って
静かに涙を流した。月子さんは本当に嬉しそうに微笑みながら涙を
伝わせた。知り合って2年、付き合いだして3年で彼女はセンセイに
抱かれた。観ているこちら側も暖かい涙が出てきた。
それから先の二人には余り時間は無かったようだ。
彼女は当然ながら残された。手元にはセンセイがいつも手に持って
いた鞄だけが残された。そこから先にも彼女にはやはり淡々とした
会社勤めの生活が有った。ただ、一人の部屋でセンセイの鞄を前に
子供のように大声を上げてなく夜が生活の一部に加わった。
「恋愛を前提としたお付き合いをして頂けませんか」
「結婚」なんて言われるより嬉しいかもなぁ〜
良く判んないけど、賞まで取ったものらしい。
柄本明演じる国語教師(センセイ)と小泉今日子演じる20年前の生徒(月子さん)との恋愛話。親子程年齢が離れているとは言え、
双方大人だから、充分恋愛は有り得る。ただその過程が実に丁寧で
説得力があって切ない。ゆっくりと恋になっていき、丁寧に傷付いて
ゆく。けして綺麗事ばかりが並んでいるわけではない。嫉妬も傲慢さ
も、大人であるが故の逃げ道も、SEXに対する不安もきちんと描かれて
いる。37歳の平凡な会社勤めの月子さんが、微妙に分別をつけ、
根拠のない嫉妬をし、上手くいかない恋に苛立って酔い潰れる。
若い頃のように突っ走る訳にもいかず、かといって他の男と遊ぶ
きにもなれず、つかみ所のない老年の男の気持ちを計りきれない歯痒さ
を抱えたまま時間が流れてゆく。そんな月子さんをどう扱っていいのか
判からず戸惑いながらも彼女が女であることを受け入れるセンセイ
も又、無駄なようで無駄でない時間を抱えていく。そしてセンセイは
出逢って2年が経った頃に月子さんに告げる。
「恋愛を前提としたお付き合いをして頂けませんか」
いい台詞だなぁ〜と思った。後何年生きられるか判らないと素直に
口にするセンセイにとって精一杯の台詞。まるで薄皮を重ねていく
ように恋人になった二人はそれから3年後に結ばれる。
とても誠実なセンセイは正直に彼女に告白する「SEX出来るか自信がない」湯豆腐を食べているテーブルの向こうで手を付いて謝る。
「なかったらなかったでいいです」と月子さんは背筋を伸ばして
答えた。「その時まで待って欲しい」と言われ「じゃ、待ちます」
と笑って答えた。きっとこの年齢の男性が恋愛をすると直面する
問題なんだろう。それでも淡々時間は流れ、二人は穏やかに恋人
でいる。ところが或る深夜、センセイは電話で彼女に言うのだ
「これから家に来ませんか」
この後の月子さんが実に愛らしい。受話器を置くのも忘れ、鞄に
必要なものをぶっ込んでパジャマのままで走る!走る!!
玄関先で仁王立ちで彼女を待つセンセイと目を合わせるや否や、
玄関を閉めるのも忘れ家の中に飛び込む。廊下で靴下を脱ごうと
転びかけ、旅館の仲居さん並の手際の良さでお布団をひく。
そして、向かいあってお布団の両端に正座した二人は、見つめ合って
静かに涙を流した。月子さんは本当に嬉しそうに微笑みながら涙を
伝わせた。知り合って2年、付き合いだして3年で彼女はセンセイに
抱かれた。観ているこちら側も暖かい涙が出てきた。
それから先の二人には余り時間は無かったようだ。
彼女は当然ながら残された。手元にはセンセイがいつも手に持って
いた鞄だけが残された。そこから先にも彼女にはやはり淡々とした
会社勤めの生活が有った。ただ、一人の部屋でセンセイの鞄を前に
子供のように大声を上げてなく夜が生活の一部に加わった。
「恋愛を前提としたお付き合いをして頂けませんか」
「結婚」なんて言われるより嬉しいかもなぁ〜
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